
防災用品・優先順位
防災グッズは何から揃える?会社・施設で優先したい7つの備え|停電・断水・避難生活別【2026年版】
公開日・最終更新日:2026年9月1日 | 熱中症対策ナビ編集部

「防災用品を揃えないといけない。でも、種類が多すぎて何から買えばいいのか分からない」——会社や施設の防災担当になると、最初にぶつかりやすい悩みです。
非常食、防災セット、ポータブル電源、簡易トイレ、毛布、マット、テント。全部必要そうに見える一方で、最初からすべてを揃えるのは予算的にも保管スペース的にも現実的ではありません。
そこでこの記事では、商品カテゴリから考えるのではなく、災害が起きたあと「何から困るか」を基準に、防災グッズの優先順位を整理します。
結論はシンプルです。代替がきかず、止まった瞬間から困るものを先に揃える。これが、後悔しにくい防災用品の揃え方です。
防災グッズは何から揃える?最優先はこの4つ
時間がない方は、まず「トイレ → 水 → 明かり・充電 → 食料」の4点だけ確認してください。
先に結論
最初は「トイレ → 水 → 明かり・充電 → 食料」
その次に、毛布・マット → テント・間仕切り → 防災セット → 拠点固有の救護・浸水対策を足していきます。
- 1
簡易トイレ・衛生用品
断水するとすぐ困る
- 2
飲料水
代替がきかない
- 3
照明・充電・非常用電源
停電時の情報収集と連絡に必要
- 4
調理不要または簡単に食べられる非常食
数日間の滞在を支える
防災用品は「セット商品を1つ買う」より、断水・停電・滞在・救護の弱点を埋めると考えた方が抜け漏れを減らせます。
優先順位早見表
| 優先 | 困ること | 先に備えるもの | 起きた直後の影響 |
|---|---|---|---|
| 優先S | トイレが使えない | 簡易トイレ、凝固剤 | 断水後すぐ |
| 優先S | 水がない | 保存水、飲料水 | 数時間〜 |
| 優先A | 暗い・連絡できない | ライト、蓄電池、充電手段 | 停電直後 |
| 優先A | 食事を確保できない | 非常食、保存食 | 当日〜 |
| 優先B | 床で眠れない・寒い | 防災マット、毛布 | 数時間〜1日 |
| 優先B | 人目が気になる | テント、間仕切り | 長時間滞在時 |
| 優先C | 救護・運営が回らない | 担架、SOS表示、ロープ等 | 拠点状況による |
最優先Sの断水・衛生対策から確認
簡易トイレ一覧を見る最優先4つに対応する商品例




会社・施設では「3日間を留まれる備え」が基本
家庭用の防災グッズと会社・施設の備蓄の違いは、従業員・来客・利用者を一定時間その場に留める可能性があることです。
内閣府の「事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン」では、発災後72時間は人命救助に重要な期間であり、従業員等の一斉帰宅を抑える観点から、企業の備蓄量の目安を3日分としています。東京都の防災ガイドでも、全従業員が3日間事業所内に留まれるよう、飲料水、食料、毛布、簡易トイレ、衛生用品、敷物、ラジオ、懐中電灯、乾電池、救急用品などを例示しています。
つまり、会社の防災用品を考えるときは、単に「持って逃げる袋」だけでは不十分です。
3日間を考えると必要になるもの
- 排泄できること
- 飲めること
- 食べられること
- 明かりがあること
- 連絡・情報収集ができること
- 床で休めること
- 寒さをしのげること
- 必要ならプライバシーを作れること
- 負傷者を運べること
優先度1|断水しても「トイレ」と「飲料水」を止めない

最初に考えたいのが断水です。飲料水の重要性は分かりやすい一方、実際の備蓄で抜けやすいのがトイレです。断水や下水設備の損傷が起きると、普段の便器が見た目上使えそうでも流せないことがあります。
人数が多い会社や施設ほど、排泄環境が崩れると衛生状態と滞在継続性が一気に悪化します。
先に押さえたい商品



トイレは「本体」より回数で考える
簡易トイレを選ぶときに、「商品を何箱買うか」から考えると不足しがちです。先に、何人いるか・何日滞在する想定か・1人あたり何回使うかを決め、そのあと商品容量へ落とし込みます。
食料は多少メニューを変えられますが、排泄は我慢で代替できません。トイレ用品は、食料と同等かそれ以上に早い段階で数量設計することをおすすめします。
優先度2|停電しても「明かり・通信・充電」を止めない

災害時、停電すると困るのは単に部屋が暗くなることだけではありません。スマホが充電できない、安否確認ができない、情報収集が難しい、夜間に移動できない。会社ではさらに、拠点責任者同士の連絡や設備確認も必要になります。
停電対策は小さな照明 + 充電手段 + 蓄電池の3層で考えると整理しやすくなります。
先に押さえたい商品




蓄電池は容量だけで選ばない
「一番容量が大きいもの」を選べば良いわけではありません。先に、停電時に絶対動かしたいもの、同時に何台使うか、何時間使いたいか、屋内だけか屋外でも使うかを決めます。
スマホとライトを維持する拠点と、PCや通信設備まで動かしたい拠点では必要条件が大きく違います。
優先度3|調理できなくても食べられるものを確保する

非常食は「長く保存できる」だけではなく、災害時に本当に配れるか、食べられるかで選びます。停電・断水が同時に起きれば、普段と同じ調理はできません。
先に押さえたい商品



企業備蓄は「食数」と「配布のしやすさ」で考える
会社では、1人分の防災袋だけでなく、箱単位での配布も必要になります。何食分入っているか、調理が必要か、個包装か、配布しやすいか、アレルギー等への配慮が必要かを確認します。
また、非常食だけを別世界の食品として扱わず、平時に試食して入れ替える運用を作っておくと、「災害時に初めて食べて合わない」という失敗を減らせます。
優先度4|「床で寝る」「冷える」を想定してマットと毛布を用意する

水・食料・電源を揃えると、防災対策がかなり進んだように感じます。しかし、3日間職場に留まる可能性を考えると、休める環境も必要です。
先に押さえたい商品




マットと毛布はどちらか1つではない
- マット:床の硬さ・冷えを減らす
- 毛布:身体の保温
予算に余裕がなければ、まず薄型マットと毛布から始め、避難滞在時間が長い施設ではエアマット等へ拡張する考え方が現実的です。
優先度5|大人数では「テント・間仕切り」が必要になる

家庭用防災では優先度が低く見えますが、会社、学校、介護施設、公共施設など複数人が同じ場所に長時間滞在する環境では、プライバシー対策の重要度が上がります。
先に押さえたい商品


先に「用途」を決める
テントは数だけ揃えるより、着替え用、授乳用、体調不良者用、女性専用、個室休憩用のように用途を決めておくと、必要数を考えやすくなります。
優先度6|防災セットは「完成品」ではなく入口として使う
防災セットは便利です。何も揃っていない状態から、ライト、衛生用品、小物などをまとめて整えられます。ただし、防災セット1箱 = 会社の防災対策完了ではありません。
先に押さえたい商品


個人用と共用を分ける
個人に配るもの(簡易ライト、個人用セット、衛生用品など)と、拠点で共用するもの(蓄電池、ソーラーパネル、テント、担架など)を分けて考えると管理しやすくなります。
優先度7|担架・SOS表示・浸水対策など「拠点固有品」を足す

最後は、全社共通ではなく立地・業務内容で必要性が変わる用品です。
救護・運営が必要な拠点



浸水リスクがある拠点

本社と沿岸拠点、都市部のオフィスと建設現場では、必要な防災用品は同じではありません。共通備蓄7割 + 拠点固有3割くらいの考え方で、最後に追加用品を決めると整理しやすくなります。
予算が限られるときは、どこから揃える?

「必要なのは分かったが、全部は買えない」という場合は段階導入で問題ありません。
最初の予算が小さい場合
- 簡易トイレ
- 保存水
- 簡易ライト
- 非常食
- 最低限の防災セット
まずは断水・停電・空腹に対応します。
次の段階
- 毛布
- マット
- 蓄電池
- 追加の保存食・トイレ
「3日間留まる」ための快適性と継続性を高めます。
施設・拠点一式まで広げる段階
- テント・間仕切り
- ソーラーパネル
- 担架・ワークライト
- SOS表示・水害対策など拠点固有用品
予算が途中で止まっても、優先度の高い部分から備えが残ります。
購入して終わりにしない|防災用品は「使える状態」で保管する
防災グッズは、倉庫に入れた瞬間が完成ではありません。
最低限、年1回は確認したいこと
- 保存水・非常食の期限
- 簡易トイレの数量
- 蓄電池の充電状態
- ライトの点灯確認
- テント・担架の組み立て方法
- 保管場所が誰でも分かるか
- 鍵がかかっている場合、誰が開けるか
- 人員増減に対して数量が合っているか
とくに蓄電池やテント、担架は、災害時に初めて使うのでは遅い用品です。防災訓練や棚卸しのタイミングで、一度実際に使っておくと安心です。
よくある質問
防災グッズは本当に何から揃えるのが良いですか?
会社・施設なら、まず簡易トイレ、飲料水、照明・充電手段、非常食の4つです。そのあとに毛布・マット、蓄電池、テント、防災セット、救護用品を足します。
防災セットを買えば最低限は足りますか?
個人の初動用品としては有効ですが、会社で3日間滞在する前提では不足しやすいです。簡易トイレ、飲料水、食料、寝具、電源は別に数量設計してください。
ポータブル電源は優先度が高いですか?
スマホ・通信・照明を維持したい会社では高めです。ただし、飲料水や簡易トイレが未整備なら、まずそちらを先に揃える方が現実的です。
毛布とマットはどちらを先に買うべきですか?
どちらも役割が違います。寒さが厳しい季節・地域なら毛布、硬い床での滞在が想定される施設ならマットの優先度が上がります。可能なら薄型マット + 毛布の組み合わせから始めます。
会社では何日分の防災用品を備えるべきですか?
帰宅困難者対策の観点では、まず3日分が1つの基本です。災害長期化や外部来訪者まで考える拠点では、3日分を超える備蓄も検討します。
どのカテゴリを一覧で見ればよいですか?
用途別に、蓄電池、テント・間仕切り、防災マット、防災毛布、非常食・保存食、防災セット、簡易トイレ、防災グッズの8カテゴリを見ると全体像を把握しやすくなります。
まとめ|「商品名」ではなく「困る順」で揃えると失敗しにくい
防災グッズ選びで迷ったら、商品カテゴリを眺め続けるのではなく、災害後に何から困るかを想像してください。
最初は、トイレ → 水 → 明かり・充電 → 食料。
次に、マット・毛布 → テント・間仕切り → 防災セット → 救護・拠点固有用品。
この順で不足を埋めると、限られた予算でも実効性の高い備えを作りやすくなります。
防災用品をカテゴリから探す
優先順位を確認したら、必要なカテゴリから具体的な商品を比較できます。