
サントリー DAKARA PRO 500ml 24本入り
- 役割:暑熱環境の休憩所などで、複数人へ配りやすいケース飲料。
- 向く現場:トマトジュースが苦手な人も含めた共通備蓄
- 注意点:最新の栄養成分表示を確認して運用する
公開日:2026年8月9日 / 読了目安:約16分
暑い日にトマトジュースを飲みながら、「これも熱中症対策になるのだろうか」と考えたことがある人は少なくないでしょう。水分があり、カリウムやリコピンなども含まれるため、いかにも夏向きの飲み物に見えます。
ただ、熱中症対策として考えるときに最初に見るべきなのは、「トマトだから体によさそう」というイメージではありません。大量に汗をかく状況では、水分と一緒に失われるナトリウムをどう補うか、そしてそもそもの暑熱負荷をどう下げるかが重要です。
結論から言えば、塩分入りトマトジュースの中には、熱中症対策用飲料の目安となるナトリウム量を満たす商品があります。一方で、無塩タイプを含め、すべてのトマトジュースを一括して「熱中症対策に向く」とは言えません。
家庭で飲む場合と、炎天下・工場・倉庫・建設現場で汗を大量にかく場合でも、必要な備えは違います。この記事では、トマトジュースの選び方を整理したうえで、仕事中の熱中症対策まで具体的に解説します。

熱中症対策としてトマトジュースを考えるなら、答えは「商品による」です。
一般社団法人全国清涼飲料連合会の「熱中症対策」表示ガイドラインでは、熱中症対策と表示できる清涼飲料水の範囲として、100ml当たりナトリウム40~80mg(食塩相当量0.1~0.2g)が示されています。
実際、塩分を加えたトマトジュースの中には、この範囲に入る商品があります。たとえばキッコーマンが販売する「デルモンテ 塩トマト」は、100ml当たりのナトリウム量を約42~70mgとしています。
つまり、「トマトジュースだから熱中症対策になる」というより、飲料として水分をとれることに加え、必要な場面で適度なナトリウムを一緒にとれる商品かどうかを見るのが正確です。
無塩トマトジュースが悪いわけではありません。水分を含む飲み物であり、食事の一部として取り入れることはできます。
ただし、炎天下の作業やスポーツなどで大量の汗をかくと、水分だけでなく塩分も失われます。厚生労働省や環境省も、大量に汗をかく場面では水分と塩分を適切に補うことを案内しています。
そのため、無塩トマトジュースだけで、長時間の暑熱作業中の補給をすべて済ませようとするのは避けた方がよいでしょう。水や他の飲料、食事、塩分補給品なども含めて組み立てる必要があります。

トマトジュースの話題では、リコピン、カリウム、ビタミンなどの栄養素がよく取り上げられます。これらは食品としての特徴ではありますが、熱中症対策の核心と混同しないことが大切です。
熱中症は、高温多湿な環境などによって体温調節がうまくいかなくなり、水分・塩分のバランスも崩れて起こります。したがって、まず優先すべきなのは、暑さを避ける、水分をこまめにとる、大量に汗をかくときは適切に塩分も補う、休憩する、身体を冷やす、WBGTなどで危険度を把握するといった基本対策です。
リコピンが含まれることだけを理由に、トマトジュースを「熱中症を予防する飲み物」と断定するのは適切ではありません。
トマトジュースを暑い日の補給に使いたい場合は、パッケージの栄養成分表示で次を確認します。
100ml当たりの食塩相当量が0.1~0.2g程度であれば、全国清涼飲料連合会が示す「熱中症対策」表示の目安と整合します。ただし、日常生活で常に塩分を増やせばよいという話ではありません。
日本高血圧学会も、3食きちんと食べている人は普段から必要な塩分をとっているケースが多く、熱中症が心配だからと日常的に塩分摂取を増やす必要はないと案内しています。大量に汗をかいたときに、失った分を補うという考え方が基本です。

| 飲み物 | 暑い日の使い方 | 大量発汗時の塩分補給 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 塩分入りトマトジュース | 水分とナトリウムを一緒にとれる商品がある | 成分量を確認 | 朝食、休憩時、トマト味が飲みやすい人 |
| 無塩トマトジュース | 水分をとる選択肢の一つ | 単独では不足する場合がある | 食事、普段の飲用 |
| 水・お茶 | 日常的な水分補給に使いやすい | 塩分は別途必要になることがある | 普段の生活、発汗量が大きくない場面 |
| 熱中症対策向け飲料 | 水分・ナトリウム量が設計されている商品がある | 成分表示で確認しやすい | 工場・建設・スポーツ等で汗が多い場面 |
この比較で大事なのは、飲み物の優劣を一律に決めることではありません。「どれなら本人が継続して飲めるか」と「発汗量に対して何が不足するか」を考えることです。
トマトジュースは好き嫌いが分かれます。法人で複数人分を用意する場合は、一種類に統一するより、定番の水分・塩分補給飲料も用意しておく方が実務的です。

飲み物を選ぶときは商品名だけではなく、最新の栄養成分表示を確認して運用してください。
トマトジュースを夏場に取り入れるなら、作業中の唯一の水分源にするより、食事や休憩の一部として使う方が取り入れやすいでしょう。
朝食を抜いた状態で暑い環境に入るのは避けたいところです。環境省の資料でも、脱水状態や食事抜きなど体調が万全でないまま暑い環境へ行かないことが重要とされています。
朝食と一緒にトマトジュースを飲むなら、飲み物だけで済ませるのではなく、食事全体で水分・エネルギー・塩分を確保する意識が必要です。
冷やした飲料は暑いときに飲みやすく、休憩のきっかけにもなります。ただし、休憩まで水分を我慢するのではなく、作業中も定期的に補給できる仕組みを作ります。
大量に汗をかいた日は、作業が終わったあとも水分が不足していることがあります。食事と合わせて補給し、睡眠不足や深酒を避け、翌日の体調まで整えることが大切です。
熱中症対策を食品一つに任せる考え方には限界があります。
直射日光、熱い機械、無風の工場、湿度の高い倉庫などでは、身体に入ってくる熱を減らす対策が必要です。飲料を用意していても、作業環境が危険なままでは十分ではありません。
厚生労働省は、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を補給するよう案内しています。忙しい現場ほど「休憩になったら飲む」ではなく、補給時間を運用に組み込む必要があります。
熱中症対策という言葉を聞いて、塩飴、塩タブレット、塩入り飲料を重ねて取りすぎるのも適切ではありません。食事内容や発汗量、健康状態を踏まえます。
高血圧、心臓・腎臓の病気などで塩分や水分について医師から指示を受けている人は、その指示を優先してください。
飲料の準備ができたら、次は現場の暑さを測り、身体と環境を冷やす対策へ進みましょう。
2026年の職場における熱中症防止のガイドラインでは、WBGTの把握、休憩、作業時間の調整、水分・塩分、服装、身体冷却などを組み合わせることが重視されています。
熱中症対策ナビでは、現場対策を次の5層に分けると整理しやすいと考えます。

気温だけでは、湿度や輻射熱を含む暑熱リスクを把握できません。まずは暑さ指数を確認し、休憩や作業時間を判断する土台を作ります。


飲料だけでなく、作業者が取りやすい形の塩分補給品を併用すると、休憩所の選択肢を増やせます。



飲料による補給とは別に、暑い場所へ入る前や休憩時のプレクーリングという考え方があります。

冷凍・保冷して現場まで運ぶため、クーラーボックスなどの保冷手段もセットで考えます。
トマトジュースを飲んでいても、身体に蓄積する熱を直接逃がす仕組みは必要です。





個人用品だけでなく、作業場所そのものの暑さを下げられるなら優先的に検討します。



飲料の発注だけで終わらず、次の項目を一度に確認すると不足を見つけやすくなります。
2025年6月からは職場の熱中症対策に関する改正労働安全衛生規則が施行され、2026年には新しい職場向けガイドラインも策定されています。飲料を配るだけではなく、異常時の報告体制や重篤化防止手順まで含めて準備する必要があります。
めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、頭痛、吐き気、強いだるさなどがある場合は、まず暑い場所から離れ、身体を冷やします。
本人の意識がはっきりしていて、自力で飲める場合は冷たい水分・塩分などの補給を行います。
一方で、
といった場合は、トマトジュースを含めて口から無理に飲ませないでください。誤嚥のおそれがあります。身体を冷やしながら、医療機関への搬送や救急要請を行います。
「トマトジュースなら栄養があるから飲ませよう」と考える場面ではありません。
水分をとる選択肢にはなりますが、大量に汗をかく場面では塩分も失われます。無塩トマトジュースだけで長時間の暑熱作業中の補給を完結させず、食事や他の飲料、必要に応じた塩分補給を組み合わせてください。
一律には言えません。塩分入りトマトジュースの中にはナトリウム量が熱中症対策飲料の目安に入る商品がありますが、商品ごとに成分が違います。大量発汗時は成分表示と飲みやすさを確認し、必要な量を定期的に飲める方法を選びます。
熱中症対策の中心は、暑さを避けること、水分・塩分、休憩、身体冷却などです。リコピンが含まれることだけを根拠に、熱中症予防効果を期待するのは適切ではありません。
塩分量を測らず自己流で大量に加える方法はおすすめしません。成分表示が明確な市販飲料を利用する方が管理しやすくなります。塩分摂取を制限されている人は医師の指示を優先してください。
意識が明瞭で自力で飲める軽い症状なら、水分・塩分補給を行う場合があります。ただし、反応がおかしい、自力で飲めない、吐いている場合は口から飲ませず、身体を冷やしながら医療機関への搬送・救急要請を優先します。
トマトジュースは、塩分入りの商品を選び、ナトリウム量が適切であれば、暑い日の水分・塩分補給の選択肢にできます。
ただし重要なのは、トマトジュースという食品名ではなく、成分と使う場面を見ることです。無塩タイプを含むすべてのトマトジュースが、大量発汗時の熱中症対策飲料として同じ役割を果たすわけではありません。
そして、工場・倉庫・建設・物流などの現場では、飲料だけに頼らないことがさらに重要です。
WBGTで測る → 水分・塩分を補う → 作業前・休憩中に冷やす → 冷却ベストや空調服で身体への熱負荷を下げる → スポットクーラーや日陰で環境を改善する。このように複数の対策を重ねることで、ひとつの飲み物やグッズに依存しない現場づくりにつながります。
飲料・塩分補給・WBGT計・冷却ベスト・空調服・スポットクーラーまで、用途に合わせて比較検討できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的助言ではありません。体調不良時は医療機関の判断を優先してください。商品の成分・仕様は改定される場合があるため、最新の商品ラベル・商品ページを確認してください。