保育園の熱中症ガイドライン外遊び・水遊び・園庭行事の判断基準と対策チェックリスト
保育園・幼稚園・認定こども園では、子どもは大人より体温調節が未熟で、地面に近く照り返しの影響も受けやすいため、暑さへの配慮が特に重要とされています。本記事では、園長・主任・保育士・施設管理担当の方がそのまま園内マニュアルに落とし込めるよう、WBGT(暑さ指数)別の活動判断、外遊び・水遊び・送迎・園庭行事・職員作業の注意点、チェックリスト、備品リスト、初期対応までを1ページに整理します。

結論
保育園の熱中症ガイドラインでは、まず WBGT(暑さ指数)・気温・湿度・熱中症警戒アラートを確認し、外遊び・散歩・水遊び・園庭行事を実施するかどうかの判断基準を園内で決めておくことが重要です。特に WBGT31以上では運動は原則中止とされ、子どもの場合は中止すべきとされています。WBGT28以上でも厳重警戒となるため、活動内容の軽減・こまめな休憩・水分/塩分補給・日陰や涼しい場所への移動を組み合わせて判断します。
園内マニュアルには、①測定・確認する項目②活動中止基準③判断者④職員への伝達方法⑤保護者連絡⑥熱中症が疑われる場合の初期対応⑦園庭・送迎口・行事会場の環境づくり、を入れておくと運用しやすくなります。
工場扇・送風機・テント・遮熱シート・製氷機・冷却用品は、熱中症を防ぐための補助として役立ちます。ただし、園児に直接風を当て続けたり、手が届く場所に大型扇風機やコード類を置いたりしないよう、設置場所と安全管理を決めて使いましょう。
保育園の熱中症ガイドラインで最初に決めるべきこと
測定指標・中止基準・判断者・伝達方法を園全体のルールとして文書化することが出発点です。
熱中症対策は「個人の注意」ではなく園全体のルールにする
「気をつけましょう」という個人任せの注意では、判断が担当者ごとにばらつきます。測定する指標・中止基準・判断者・伝達方法を園全体のルールとして文書化し、誰が対応しても同じ判断ができる状態にしておくことが出発点です。
WBGT・気温・湿度・熱中症警戒アラートを確認する
気温だけでなく、湿度と輻射(照り返し)を反映した WBGT(暑さ指数)を確認します。環境省の暑さ指数や熱中症警戒アラートを毎朝チェックし、園庭など活動場所での実測も組み合わせると、より実態に合った判断ができるとされています。
活動を中止する判断者と伝達方法を決める
「誰が」「どの数値で」「どう伝えるか」を事前に決めます。判断者(園長・主任など)を明確にし、中止・短縮の連絡が全クラス・職員・必要に応じて保護者へ届く伝達ルートを用意しておきます。
園児だけでなく職員の熱中症対策も含める
屋外での見守り・誘導・準備を担う職員も熱中症リスクを負います。職員の水分補給・交代・休憩、送迎口や門番の暑さ対策も園内マニュアルに含めておきましょう。
保育園で使いやすいWBGT別の活動判断目安
WBGT31以上は原則中止。28以上は厳重警戒として活動を軽減し、休憩と水分補給を強化します。

緊急時の判断について
WBGT31以上:外遊び・運動は原則中止
WBGT31以上は「危険」域とされ、運動は原則中止、子どもの場合は中止すべきとされています。室内の涼しい環境で過ごし、外に出る必要がある場合も最小限にとどめます。
WBGT28〜31未満:活動を軽くし、休憩と水分補給を強化
「厳重警戒」域です。活動時間を短く・内容を軽くし、こまめな休憩と水分/塩分補給、日陰の確保を徹底します。
WBGT25〜28未満:積極的に休憩を入れる
「警戒」域です。通常の活動でも直射日光を避け、積極的に休憩と水分補給を挟みます。
気温だけでなく湿度・日差し・地面の照り返しを見る
同じ気温でも、湿度が高い・日差しが強い・アスファルトの照り返しが強い場所では体感の暑さは大きく上がります。子どもは背が低く地面に近いぶん照り返しを受けやすい点にも注意します。
| WBGT(暑さ指数) | 区分 | 保育園での活動目安 |
|---|---|---|
| 31以上 | 危険 | 外遊び・運動は原則中止(子どもは中止)。室内で涼しく過ごす |
| 28〜31未満 | 厳重警戒 | 活動を軽く・短く。こまめな休憩と水分/塩分補給、日陰確保 |
| 25〜28未満 | 警戒 | 積極的に休憩。直射日光を避ける |
| 21〜25未満 | 注意 | 通常活動可。水分補給を意識し、体調変化に注意 |
外遊び・散歩・園庭活動の熱中症対策
出る前に日陰・水分補給場所を作り、照り返しと途中切り上げ基準を決めておきます。

園庭に出る前のチェック項目
出る前に、WBGT・気温・アラート、活動時間、日陰と水分補給場所、子どもの体調、帽子・水筒の準備を確認します。数値が基準を超えていれば、この時点で中止・短縮を判断します。
遊具・砂場・アスファルト周辺の照り返しに注意
金属遊具は高温になりやけどの恐れがあり、砂場やアスファルト周辺は照り返しで体感温度が上がります。触れて熱い場所は使用を控え、活動場所を日陰側に寄せます。
日陰・送風・水分補給場所を先に作る
活動を始める前に、日陰(テント・遮熱シート等)・涼しい風の流れ・水分補給の場所を用意しておくと、暑くなってから慌てずに済みます。工場扇・送風機は空気の流れをつくる補助として役立ちますが、園児に直接風を当て続けず、設置場所の安全管理を前提にします。
途中で切り上げる基準を決めておく
「顔が赤い」「汗が急に止まった」「元気がない」など、途中で切り上げるサインと基準を決めておきます。迷ったら短めに切り上げる運用が安全です。
緊急時の判断について
園庭・活動場所の環境づくりに
日陰づくりや空気の流れの確保に、以下の用品が補助として役立ちます(設置場所・安全管理を決めたうえでご検討ください)。詳しい商品は本記事下部の「用品リスト」にまとめています。
水遊び・プール活動で注意したい熱中症リスク
水中でも直射日光下のリスクは残ります。前後の水分補給と待機列の日陰が重要です。

水の中でも熱中症リスクはなくならない
水に入っていると涼しく感じても、直射日光下では体温が上がり、汗による水分不足にも気づきにくくなります。水遊び・プールでも熱中症のリスクは残るという前提で運用します。
水遊び前後の水分補給をルール化する
「水遊びの前後に必ず水分補給」をルールにします。喉の渇きを訴えにくい年齢の子もいるため、時間で区切って全員に促す運用が有効です。
監視者・誘導者・救護対応者の役割を分ける
水の事故防止と熱中症対応を両立するため、監視・誘導・救護の役割を分けます。一人が兼務すると、どちらかの対応が遅れるリスクがあります。
プールサイド・待機列の日陰を確保する
着替えや順番待ちの待機列は直射日光下になりがちです。テントや遮熱シートで日陰を確保し、待機時間を短くします。救護場所には冷却用品・製氷機の氷などをまとめておくと初期対応がスムーズです。
プールサイド・待機場所・救護場所の環境づくりに
送迎時・駐車場・園バスまわりの熱中症対策
車内に子どもだけを残さないことと、送迎口の日陰・職員の暑さ対策をセットで整えます。

短時間でも車内に子どもだけを残さない
締め切った車内は短時間でも急激に高温になります。どんなに短い時間でも、子どもだけを車内・園バス内に残さないことを絶対のルールにします。降車時の人数確認・車内点検を手順化します。
送迎口の待機列に日陰を作る
登降園時の待機列や受け渡し場所が炎天下だと、短時間でも負担が大きくなります。テントや遮熱シートで日陰を作り、待機時間を短くします。
駐車場誘導・門番職員の暑さ対策も行う
屋外に立ち続ける誘導・門番の職員も熱中症リスクが高くなります。日陰・送風・水分補給・交代のルールを用意します。プレクーリングアイテムは職員の活動前後の身体冷却の補助として役立ちます。
保護者にも朝の体調共有を依頼する
睡眠不足・朝食抜き・前日の発熱などは熱中症リスクを高めます。連絡帳やアプリで朝の体調を共有してもらう仕組みを作ると、当日の見守りに活かせます。
園庭行事・夏祭り・運動会での暑さ対策
時間帯・待機場所・救護場所を先に決め、受付・保護者席の日陰と冷却用品を用意します。
行事は「時間帯・待機場所・救護場所」を先に決める
猛暑期の行事は、涼しい時間帯への変更や短縮も含めて計画します。開始前に、待機場所・救護場所・中止/短縮の判断基準を決めておきます。
受付・待機列・保護者席の日陰を確保する
園児だけでなく、受付・待機列・保護者席も日陰を確保します。らくらくテントや遮熱シートで日射を遮り、給水ポイントを分かりやすく配置します。
工場扇・送風機は園児の動線から離して設置する
送風の補助を使う場合は、園児の動線・手の届く範囲から離し、コード類のつまずきや転倒に注意して設置します。直接風を当て続けないようにします。
製氷機・保冷剤・冷却タオルを救護場所にまとめる
救護場所に、氷・保冷剤・冷却タオル・飲料をまとめておくと、体調不良者が出たときの初期対応が早くなります。高速製氷機があると氷の確保が安定します。
行事会場(受付・待機・救護)の環境づくりに
保育園で備えておきたい熱中症対策用品リスト
用品は補助です。園児安全(設置位置・風向き・コード)を前提に、場面に合わせて検討します。

以下はいずれも熱中症対策の補助として役立つ用品です。園児の安全管理(設置場所・風向き・手の届く範囲・コード類)を前提に、場面に合わせて検討してください。仕様・在庫・価格は各商品ページでご確認ください。
| カテゴリ | 使いやすい場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 工場扇 | 園庭・行事会場・職員作業スペースの送風 | 園児の手が届かない位置に。直接風を当て続けない。コード・転倒注意 |
| 送風機 | 空気のこもる場所・待機列・倉庫作業 | 動線から離して設置。指挟み・転倒に注意 |
| 遮熱シート | テント・窓・待機場所の日射対策 | 固定を確実に。飛散・つまずき防止 |
| らくらくテント | 送迎口・プール待機列・行事の受付/救護 | 強風時は使用可否を判断。固定・転倒対策 |
| プレクーリング | 職員・行事スタッフの活動前後の身体冷却 | 園児使用は年齢・状態に配慮。冷やしすぎに注意 |
| 製氷機 | 救護場所の氷確保・飲料の冷却 | 衛生管理・設置電源を確認 |
工場扇(スタンドタイプ)
園庭・行事会場・職員作業スペースの送風に。園児の手が届かない位置へ、直接風を当て続けないように設置します。




工場扇(据え置き・キャスター・卓上タイプ)
移動して使いたい場所や卓上に。DCモーターの大型機は広い会場向けです。




工場扇(壁掛け・天井・ハンガータイプ)
床に置けない場所や動線を確保したい場所に。園児の手の届かない高所設置に向きます。




送風機
空気がこもる場所・待機列・倉庫作業の空気の流れづくりに。動線から離して設置します。




遮熱シート
テント・窓・待機場所の日射対策に。固定を確実にし、つまずき・飛散を防ぎます。




らくらくテント
送迎口・プール待機列・行事の受付/救護場所の日陰づくりに。強風時は使用可否を判断します。




プレクーリングアイテム
主に職員・行事スタッフの活動前後の身体冷却の補助に。園児に使う場合は年齢・状態に配慮し、冷やしすぎに注意します。




製氷機
救護場所の氷の確保や飲料の冷却に。衛生管理と設置電源を確認します。




園内マニュアルに入れたい熱中症対策チェックリスト
毎朝の確認
- WBGT・気温・湿度・熱中症警戒アラートを確認した
- 当日の活動予定と中止/短縮の要否を判断者が確認した
- 子どもの朝の体調情報(保護者共有分)を確認した
活動前の確認
- 日陰・送風・水分補給場所を用意した
- 帽子・水筒・着替えの準備を確認した
- 遊具・地面の温度・照り返しを確認した
活動中の確認
- 時間を区切って全員に水分補給を促した
- 顔色・汗・元気のなさなど体調サインを観察した
- 基準に達したら途中でも切り上げた
活動後の確認
- 水分補給と体調確認を行った
- 気になる子の様子を記録・引き継ぎした
緊急時の対応
- 緊急対応フロー・連絡先・救急要請の判断を掲示している
- 救護場所・冷却用品・記録様式を準備している
- 保護者連絡の手順を決めている
熱中症が疑われるときの初期対応
涼しい場所へ移し、体を冷やします。意識がはっきりしない場合は救急要請をためらわないでください。
涼しい場所に移動する
まず日陰や冷房の効いた涼しい場所へ移動させ、安静にします。
衣服をゆるめ、首・わき・足の付け根などを冷やす
衣服をゆるめ、保冷剤や冷たいタオルで首・わきの下・足の付け根などを冷やして体温を下げます。
水分・塩分補給は本人の状態を見て判断する
意識がはっきりしていて自分で飲める場合は、水分・塩分を少しずつ補給します。無理に飲ませないようにします。
意識がはっきりしない、飲めない、反応が悪い場合は救急要請をためらわない
意識がはっきりしない・自分で水分をとれない・反応が悪い・けいれんがあるなどの場合は、ためらわず救急要請します。
保護者連絡と記録を行う
対応と並行して保護者へ連絡し、発生時刻・症状・対応内容・経過を記録します。記録は再発防止とマニュアル見直しに役立ちます。
緊急時の判断について
保育園の熱中症対策でよくある失敗
- 中止基準を決めず、その日の担当者任せにする:判断がばらつき、無理な活動につながります。数値と判断者を先に決めます。
- 気温だけで判断し、湿度・照り返しを見ない:同じ気温でも危険度は変わります。WBGTと現場の実態で判断します。
- 水遊び中は熱中症の心配がないと思い込む:水中・直射日光下でもリスクは残ります。前後の水分補給と役割分担を行います。
- 大型扇風機を園児の手が届く場所に置く:指挟み・転倒・コードの事故につながります。動線から離して設置します。
- 送迎・行事の待機列を炎天下に作る:短時間でも負担が大きくなります。日陰と給水を先に用意します。
- 職員の熱中症対策を後回しにする:見守り・誘導の職員も倒れれば対応が滞ります。職員分も計画します。
- 用品を入れただけで安心してしまう:工場扇や製氷機は補助にすぎません。判断基準・休憩・水分補給と組み合わせて運用します。
まとめ|保育園の熱中症ガイドラインは「判断基準」と「環境づくり」をセットで整える
保育園の熱中症ガイドラインは、WBGT別の判断基準(測定・中止基準・判断者・伝達)と、園庭・送迎口・行事会場・プール待機・職員作業の環境づくりを、セットで整えることが大切です。工場扇・送風機・遮熱シート・テント・製氷機・冷却用品はあくまで補助として役立つもので、園児の安全管理を前提に使いましょう。判断基準・休憩・水分補給・緊急対応フローと組み合わせて、園全体のルールとして運用してください。
熱中症対策用品の一覧を見る
園庭・送迎口・行事会場・プール待機場所・職員作業環境・施設管理の環境づくりに。いずれも補助として役立つ用品です。
よくある質問
Q. 保育園の外遊びは何度から中止すべきですか?
気温だけでなく WBGT(暑さ指数)で判断するのが基本です。WBGT31以上は運動が原則中止とされ、子どもの場合は中止すべきとされています。WBGT28以上でも厳重警戒のため、活動の軽減・休憩・水分補給を強化します。最終的な可否は園の基準と当日の状況で判断してください。
Q. 保育園の熱中症ガイドラインには何を入れるべきですか?
①測定・確認項目②活動中止基準③判断者④職員への伝達方法⑤保護者連絡⑥熱中症が疑われる場合の初期対応⑦園庭・送迎口・行事会場の環境づくり、を入れておくと運用しやすくなります。
Q. 水遊び中も熱中症対策は必要ですか?
必要です。水中でも直射日光下では体温が上がり、汗による水分不足に気づきにくくなります。前後の水分補給のルール化、監視・誘導・救護の役割分担、待機列の日陰確保を行います。
Q. 保育園で工場扇を使ってもよいですか?
環境づくりの補助として使えますが、園児の安全管理が前提です。手が届く場所に置かない、直接風を当て続けない、動線から離す、コード・転倒に注意する、を守ってください。用品だけで熱中症を防げるわけではありません。
Q. 夏祭りや園庭行事では何を準備すべきですか?
時間帯・待機場所・救護場所・中止/短縮基準を先に決めます。受付・待機列・保護者席の日陰、給水ポイント、救護場所の冷却用品(氷・保冷剤・冷却タオル)を準備し、送風の補助は園児の動線から離して設置します。
Q. 職員の熱中症対策も園内マニュアルに入れるべきですか?
入れるべきです。屋外での見守り・誘導・準備・門番を担う職員も熱中症リスクが高くなります。水分補給・交代・休憩・日陰・送風のルールを職員分も定めておきます。