
アイススラリー グレープフルーツ味
この記事上の役割:作業前や休憩時の冷却補給に使いやすい使い切り型の補給品です。高額設備とは経理判断が異なります。
経理で確認する点:支給対象・現場名・熱中症対策目的・継続支給時の社内科目を確認
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公開日・最終更新日:2026年8月10日 | 熱中症対策ナビ編集部

夏前に空調服や冷却ベストをまとめて支給する。休憩所へスポットクーラーを置く。WBGT計を各現場へ配る。アイススラリーを冷やす設備を用意する。
会社として熱中症対策を進めると、経理担当者には別の悩みが出てきます。「これ、全部そのまま経費でいいのだろうか」
熱中症対策のための支出は、業務や従業員の安全確保に必要なものであれば、事業に関連する費用として扱えるものが多くあります。ただし、ここで注意したいのが、「経費になること」と「購入した年に全額を費用処理できること」は同じではない点です。
この記事では、会社の熱中症対策費を「何費にするか」だけではなく、経費として説明できるか、一括で費用処理できるか、固定資産になるか、10万円・20万円・40万円のどこで分かれるか、補助金を確認すべきか、購入時に何を記録しておくかまで、2026年8月時点の公的情報をもとに整理します。
「経費になる」と「一括で経費にできる」は別です。取得価額の分岐を先に押さえます。
| 取得価額の目安 | 一般的な考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 少額の減価償却資産として購入年に全額費用化できる場合がある | 事業供用が必要 |
| 10万円以上20万円未満 | 一括償却資産として3年間で償却する選択肢がある | 制度要件を確認 |
| 20万円以上40万円未満 | 原則は固定資産。一定の中小企業者等は40万円未満特例を検討できる場合がある | 2026年4月1日以後・年300万円上限等 |
| 40万円以上 | 原則として固定資産・減価償却を検討 | 資産区分・耐用年数を確認 |
2026年度の税制改正では、一定の中小企業者等の少額減価償却資産特例について、取得価額の基準が30万円未満から40万円未満へ引き上げられました。適用は2026年4月1日以後の取得等からです。
ただし、40万円未満ならどの会社でも全部その年の経費にできる、という制度ではありません。法人では、2026年4月1日以後に取得等する場合、常時使用する従業員数が400人を超える法人は対象から除外されるなど要件があります。また、この特例の対象となる取得価額の合計は年300万円が上限です。

「福利厚生費にすれば全部一括経費」ではなく、目的→使い方→取得価額→制度要件の順で確認します。
STEP 1
業務目的か
従業員の安全・暑熱作業のための支出か
STEP 2
使い切りか / 長期使用か
補給品か、繰り返し使う備品・設備か
STEP 3
取得価額を確認
本体だけでなく送料・据付費・セットも含めて確認
STEP 4
10 / 20 / 40万円のどこか
少額資産・一括償却・特例・通常の減価償却の分岐
STEP 5
会社の対象要件・特例確認
中小企業者等の要件・年300万円上限など
STEP 6
経費 / 一括償却 / 固定資産
実態と社内方針に沿って処理を決める
「40万円未満なら絶対に一括経費」とは限りません。対象者要件・年300万円上限・取得価額の範囲を必ず確認してください。
科目は商品名で決まりません。誰が・何のために・使い切りか・いくらで・会社が管理するかが重要です。
| 購入するもの | 経理上の候補 | 税務上の確認ポイント |
|---|---|---|
| 水・塩分補給品・アイススラリー | 福利厚生費/消耗品費など | 従業員向け・業務目的・支給基準 |
| 冷却ベスト・空調服 | 福利厚生費/消耗品費/備品など | 作業用か、私用可能か、取得価額 |
| WBGT計・ウェアラブル | 消耗品費/備品/工具器具備品 | 取得価額・耐用性 |
| テント・クーラーボックス | 消耗品費/備品/工具器具備品 | 取得価額・反復使用 |
| スポットクーラー・ミスト設備 | 工具器具備品等の固定資産を検討 | 取得価額、据付費、特例適用 |
| 固定式空調・設置工事 | 建物附属設備等を含め固定資産を検討 | 工事内容と資産区分 |
「福利厚生費か消耗品費か」という科目名だけで税額が決まるわけではありません。科目を何にするかより、その支出の実態と処理を継続して説明できることが重要です。
飲料の詳細はこの記事では重複させません。設備・備品側の判断に進みます。
水、スポーツドリンク、塩飴、アイススラリーなど、従業員へ配る飲食物については、すでに別記事で詳しく整理しています。

この記事上の役割:作業前や休憩時の冷却補給に使いやすい使い切り型の補給品です。高額設備とは経理判断が異なります。
経理で確認する点:支給対象・現場名・熱中症対策目的・継続支給時の社内科目を確認
GCセレクトで見る業務専用の作業装備なら説明しやすい一方、私服兼用の衣類は無条件に業務用品とは言えません。

国税庁の所得税基本通達では、専ら勤務場所で着用する作業服等について、制服に準じて取り扱う考え方があります。会社が業務上必要な作業装備として支給・貸与し、私的利用を前提としていないものは、一般衣料を社員へプレゼントする場合とは性格が違います。
一方で、私服としても普通に使える衣類を「熱中症対策だから」と無条件で業務用品扱いできるわけではありません。

この記事上の役割:保冷剤を使う身体冷却装備。高温作業用の業務用品として支給・貸与する場合に説明しやすい品目です。
経理で確認する点:業務専用性・支給/貸与・私用禁止の有無・取得価額を確認
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この記事上の役割:冷却ベストも構造やセット内容が商品ごとに異なります。商品名だけで科目を決めないことが重要です。
経理で確認する点:セット構成・単価・使用期間・耐用性を確認
GCセレクトで見る計測・見える化用品は業務との関係を説明しやすい一方、使い切りではないため取得価額を確認します。

2025年6月に強化された職場の熱中症対策では、一定の暑熱作業について、熱中症のおそれのある人を早期に見つけるための報告体制、重篤化防止の手順作成、関係者への周知が事業者に義務付けられました。2026年の厚生労働省ガイドラインでも、WBGT把握は熱中症対策の土台です。
義務化の詳細は熱中症対策義務化の解説記事もあわせてご覧ください。

この記事上の役割:個人側の暑熱リスク把握を補助するウェアラブル。使い切りではないため取得価額の確認が必要です。
経理で確認する点:取得価額・使用期間・会社所有かを確認
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この記事上の役割:休憩所・朝礼場所・現場入口で注意喚起と温湿度確認をまとめたい場合に使いやすい用品です。
経理で確認する点:購入単価と使用期間を確認し、消耗品費・備品・固定資産のどこに置くかを検討
GCセレクトで見る社員へ配るのではなく、会社が所有し現場で共用するケースが多い品目です。



この記事上の役割:飲料・冷却材・補給品を現場へ持ち込むための共用備品として位置づけやすい商品です。
経理で確認する点:取得価額・反復使用・会社所有かを確認
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この記事上の役割:電源を使うパーソナルクーリングボックスなど、設備性が高い製品は購入価格と使用期間の確認が重要です。
経理で確認する点:セット構成・使用期間・取得価額を確認
Yahoo!ショッピングで見る熱中症対策だから福利厚生費で一括処理、と考えるのではなく、減価償却資産に当たるかを確認します。

この記事上の役割:半屋内・休憩所などの局所冷房に検討できる設備。商品名だけで経費可否を決めないことが最重要です。
経理で確認する点:本体+送料+据付費等の取得価額・特例適用の可否を確認
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この記事上の役割:ミストファンも反復使用する設備です。購入価格や構成により備品・固定資産として管理するケースがあります。
経理で確認する点:取得価額・構成品・使用場所を確認
GCセレクトで見る「本体が39万円だから40万円未満特例を使える」と本体価格だけで判断するのは危険です。
国税庁は、購入した減価償却資産の取得価額について、原則として購入代価+事業の用に供するために直接要した費用としています。引取運賃、荷役費、購入手数料なども取得価額に含まれるのが基本です。
が一体となって導入される場合、本体の値札だけでは判断できません。また、少額資産の判定は、通常1単位として取引される単位で見る考え方があります。本体と専用品を別伝票で買ったから自動的に別々の少額資産になる、とは限りません。
冷却設備と電源が独立して機能するのか、専用セットとして一体利用するのかで資産管理の考え方が変わる可能性があります。

この記事上の役割:電源のない現場で冷却・保冷設備を動かすための電源設備。冷却設備との一体判定に注意が必要です。
経理で確認する点:単独機能か専用セットか・取得価額・取引単位を確認
Yahoo!ショッピングで見る家事関連費は必要経費にならず、業務遂行上直接必要だったことを明確に区分できる部分に限ります。
現場専用の冷却ベスト、現場へ持ち込むWBGT計、業務専用のスポットクーラーは用途を説明しやすい一方、私生活でも使う一般衣料、家庭でも使う冷蔵庫、日常生活用の飲料は区分が問題になりやすくなります。
詳細は一人親方の装備は経費になる?で整理しています。
義務化されたのは報告体制・手順・周知です。グッズ購入が法律で一律義務化されたわけではありません。
そのため「法律で義務化されたから、買ったものは全部経費になる」と考えるのは誤りです。熱中症対策用品は業務上の必要性を説明しやすい支出ではありますが、税務上の費用処理ルールは別に確認する必要があります。
関連記事:労働安全衛生規則改正の解説
高額設備は「経費にできるか」だけでなく、補助金を使えるかも発注前に確認します。

厚生労働省の2026年度エイジフレンドリー補助金には、熱中症対策コースがあります。一定の条件を満たす場合に、移動式で熱排気できるスポットクーラー、ミストファン、電動ファン付き作業服、アイススラリーや保冷剤を冷やす専用冷凍ストッカーなどが補助対象になるケースが示されています。
一方、WBGT指数計、保冷剤単体、一般の扇風機・送風機・サーキュレーター、一般的な保冷温庫・冷凍冷蔵庫などは2026年度Q&Aで対象外とされています。高年齢労働者など一定の要件がある制度であり、「熱中症用品なら何でも補助対象」ではありません。
地域制度の詳細は本記事では扱いません。必要に応じて東京都の補助金ガイド/大阪の補助金ガイドをご覧ください。
補助金が出ることと税務上の経費処理は別の論点です。固定資産を補助金で購入した場合は、補助金収入や圧縮記帳など別の税務論点が出る場合があります。
同じ「経費」という言葉でも、会社の税務処理と工事費積算・契約は別制度です。
国土交通省では、公共工事の積算で熱中症対策に資する現場管理費の補正や、現場環境改善費に関する積算方法を設けています。これは会社の会計上・税務上の勘定科目ではなく、発注者と受注者の工事費積算・契約金額の話です。
買ったときに目的を記録しておくと、税務説明にも翌年の追加購入にも役立ちます。

| 項目 | 記録例 |
|---|---|
| 購入日 | 2026年7月15日 |
| 商品名・数量 | スポットクーラー2台 |
| 使用場所 | ○○工場 溶接エリア休憩所 |
| 使用者 | 高温作業従事者 |
| 購入目的 | 熱中症対策・休憩環境改善 |
| 取得価額 | 本体+送料+据付費 |
| 管理方法 | 会社所有・夏季貸与 |
| 補助金 | 申請なし/申請中/対象外 |
| 証憑 | 見積書・請求書・納品書・写真 |
経費になるから買う、では本末転倒です。測る・休ませる・冷やす・補給する・異常時対応で考えます。
測る・知らせる
aiwa band/温湿度計付標識
休ませる・環境を下げる
簡単テント/スポットクーラー/ミストファン
冷やす・保冷する
ICE ARMOR/冷却ベスト/アイススラリー/クーラーボックス/ど冷えもんBOX
異常時対応
エマージェンシープールなどの冷却設備

この記事上の役割:体調不良時の緊急冷却を想定した備品です。現場のリスク対応として役割を明確にしておくと説明しやすくなります。
経理で確認する点:使用目的・保管場所・取得価額を確認
GCセレクトで見る「福利厚生費」にすれば高額設備も全部一括経費と思う
勘定科目名を福利厚生費にしても、減価償却資産に該当するものが自動的に一括損金になるわけではありません。
本体価格だけで40万円未満か判断する
運賃、据付費などが取得価額に入る場合があります。
見積書を分ければ別資産になると思う
通常の取引単位・機能単位で判定します。
全社員に同じものを配ることだけを「公平」と考える
現場作業者と内勤者で暑熱リスクが違うなら、職種・作業環境・WBGTなど客観的な支給基準を社内で決める方が運用しやすくなります。
補助金を後から調べる
補助制度には対象者、対象設備、申請時期などの条件があります。高額設備は発注前に確認します。
税務上の経費と公共工事の現場管理費を混同する
同じ「経費」という言葉でも、税務処理と積算制度は別です。
いいえ。福利厚生費が候補になる支出もありますが、消耗品費、備品、工具器具備品などになる場合もあります。商品名より、使用目的、対象者、取得価額、使用期間で整理します。
取得価額や会社の要件によります。少額資産制度の対象になれば一括損金算入できる場合がありますが、対象外なら固定資産として減価償却を検討します。
違います。2026年4月1日以後、一定の中小企業者等の少額減価償却資産特例の基準が40万円未満へ引き上げられましたが、対象者要件があり、年300万円の上限もあります。
業務専用の作業服として支給・貸与する場合と、私用可能な一般衣料を渡す場合では取り扱いが異なります。専ら勤務場所で着用する作業服等は制服に準じる国税庁の取扱いがありますが、実際の運用を確認してください。
仕事専用で業務上必要なことを明確に区分できるほど説明しやすくなります。一方、私生活でも使うものは家事費との区分が必要です。詳細は一人親方向けの別記事もご覧ください。
補助金の受給と、設備の取得価額・減価償却は別の論点です。補助金で固定資産を取得すると別途税務処理が必要になる場合があります。
違います。現場管理費補正は工事費積算・契約の制度で、会社の法人税・所得税上の経費処理とは別です。
熱中症対策用品の経理で最も大切なのは、最初から「福利厚生費」「消耗品費」と科目を決め打ちしないことです。まず、事業・安全管理のために必要か、誰が使うか、使い切りか長く使うか、取得価額はいくらか、10万円・20万円・40万円のどこに入るか、補助金の対象にならないかを確認します。
そのうえで、補給品・冷却装備・計測器・休憩所備品・スポットクーラーなどの設備を役割別に整えると、現場の熱中症対策と経理処理を同時に整理できます。
測る・休む・冷やす・補給する用品を、現場の役割からそろえられます。