
工場・製造業の熱中症対策ガイド屋内作業でも、設備熱・湿度・換気不足・ライン作業によって暑さリスクは高まります
工場や製造現場は屋内作業が中心でも、設備熱・湿度・換気不足・ライン作業などにより暑さがこもりやすい環境になる場合があります。「屋内だから大丈夫」ではなく、作業エリアごとの暑さを確認し、環境改善・補給・冷却・報告体制を組み合わせて整えることが大切です。
まず確認したい、工場の熱中症対策5つの基本
工場・製造業の熱中症対策では、屋内でも設備熱・湿度・換気不足による暑さリスクを想定し、WBGT確認、作業環境の冷却、水分・塩分補給、身体冷却、体調不良時の報告体制を組み合わせて整えることが重要です。
※ 熱中症を完全に防げる単一の方法はありません。現場環境・作業内容に応じて複数の対策を組み合わせることが重要です。

測る|WBGTで暑さを見える化
WBGT計や温湿度計を使い、作業エリアごとの暑さを確認します。工場入口や事務所だけでなく、熱源周辺・製造ライン・倉庫など、作業者が実際にいる場所で確認することが大切です。
下げる|作業環境を改善する
工場扇、送風機、スポットクーラー、換気、遮熱などにより作業環境の改善を検討します。食品工場や精密機器工場では、風や水分が製品品質・衛生管理に影響しないかも確認が必要です。
補給する|水分・塩分を仕組み化
水分・塩分補給を個人任せにせず、補給場所・補給タイミング・在庫管理を決めておくことが重要です。ライン作業では班長やリーダーによる声かけも有効です。
冷やす|身体を冷却する用品を活用
冷却ベスト、冷感タオル、保冷剤、ネッククーラーなどを作業内容に合わせて選びます。機械周辺では巻き込み防止や作業安全性、衛生服との相性も確認しましょう。
知らせる|報告ルートと手順を共有
体調不良時に誰へ報告するか、どこで休ませるか、必要に応じてどのように医療機関や救急へつなぐかを事前に共有します。派遣社員・協力会社・短期スタッフにも伝わる掲示があると安心です。
工場・製造業では、なぜ熱中症対策が重要なのか
工場や製造現場は屋内であっても、炉・乾燥機・溶接・成形機などの熱源がある場所では局所的に温度が上がりやすくなります。また製造ラインでは作業者が自分の判断で休憩や水分補給をしづらいこともあるため、個人の注意だけに頼らず、工場全体の運用として対策を整えることが重要です。
屋内でも高温多湿になりやすい
空調がある工場でも、熱源周辺や湿度の高い工程では、作業者の体感温度が高くなることがあります。
設備熱・輻射熱の影響を受けやすい
炉、乾燥機、溶接、金属加工などの工程では、周辺エリアだけ暑さが厳しくなる場合があります。
ライン作業では補給しづらい
決められた持ち場で作業する場合、水分補給や休憩を個人任せにすると対策が徹底されにくくなります。
報告体制・対応手順の共有が必要
体調不良時に誰へ報告し、どのように作業から離脱するかを事前に共有しておくことが大切です。
⚠️ 2025年6月施行|労働安全衛生規則改正のポイント
WBGT28度以上または気温31度以上の作業場で、継続1時間以上または1日4時間を超える見込みの作業については、熱中症のおそれがある作業者の報告体制や悪化防止手順を事業場ごとに定め、関係作業者へ周知することが求められています。工場・製造現場でも条件に該当する場合があるため、商品を揃えるだけでなく「誰に・どうやって報告するか」を文書化しておくことが重要です。
工場内で暑くなりやすい場所・工程
「工場全体が暑いか」だけでなく、「どの場所・どの工程が暑くなりやすいか」を分けて確認することが重要です。同じ建物内でも、作業場所によって暑さの感じ方や必要な対策は大きく変わります。

溶接・金属加工エリア
主なリスク:熱源・保護具・重作業
溶接や金属加工では、火花・熱源・保護具の着用により、作業者の体に熱がこもりやすくなります。WBGT確認、冷却用品、休憩ルール、声かけを組み合わせて検討します。
炉・乾燥機・加熱工程周辺
主なリスク:輻射熱・局所高温
炉や乾燥機などの周辺では、設備からの輻射熱により局所的に暑さが厳しくなる場合があります。工場全体の温度だけで判断せず、実際の作業位置で確認することが大切です。
食品工場・厨房系ライン
主なリスク:湿度・衛生服・補給制限
湯気、蒸気、加熱調理、洗浄工程などにより湿度が上がりやすくなります。飲料持ち込みや送風機器の使用に制限がある場合もあるため、補給場所と休憩タイミングの設計が重要です。
倉庫・出荷場・荷捌き場
主なリスク:外気・荷捌き・身体負荷
シャッター付近、トラックバース、出荷場では屋内でも外気や照り返しの影響を受けやすくなります。荷物の積み下ろしで身体負荷も高いため、送風・補給・休憩導線の整備が必要です。
大型工場・空調が届きにくい作業場
主なリスク:空調ムラ・熱気滞留
天井が高い大型工場や熱源が多い作業場では、空調があっても作業者の立ち位置まで涼しさが届かない場合があります。エリアごとの測定と局所冷却の検討が有効です。
クリーンルーム・防護服着用作業
主なリスク:防護服・休憩制限
防護服や衛生服を着用する作業では体の熱が逃げにくくなります。作業時間の区切り、プレクーリング、休憩室環境の整備を検討します。
工場内の暑くなりやすい場所と対策早見表
| 場所・工程 | 主なリスク | 優先したい対策 | 関連カテゴリ |
|---|---|---|---|
| 溶接・金属加工 | 熱源・保護具・重作業 | WBGT確認・冷却用品・休憩ルール | 環境管理・衣類着用品 |
| 炉・乾燥機周辺 | 輻射熱・局所高温 | スポット冷却・遮熱・定時測定 | 環境管理・送風冷却 |
| 食品工場 | 湿度・衛生服・補給制限 | 補給場所・休憩室・衛生対応品 | 水分補給・健康管理 |
| 倉庫・出荷場 | 外気・荷捌き・身体負荷 | 工場扇・飲料・保冷用品 | 環境対策・補給用品 |
| 大型工場 | 空調ムラ・熱気滞留 | エリア別測定・局所冷却 | WBGT計・スポットクーラー |
| クリーンルーム | 防護服・休憩制限 | プレクーリング・作業時間管理 | 冷却用品・健康管理 |
製造業で準備したい熱中症対策カテゴリ
単品の商品を選ぶ前に、必要な対策をカテゴリごとに整理すると分かりやすくなります。

WBGT計・温湿度計・環境管理用品
工場入口だけでなく、熱源周辺・製造ライン・倉庫など作業者が実際にいる場所で確認できる体制を整えることが重要です。
環境管理用品を確認する →
工場扇・送風機・スポットクーラー
電源の有無、風向き、通路・作業動線、製品品質への影響、粉じんや異物混入のリスクなどを確認しながら選定します。
送風・冷却用品を確認する →
水分・塩分補給用品
ライン作業では飲みたい時に飲めないことがあります。補給タイミング・場所・在庫管理を決め、個人任せにしない運用を整えます。
水分・塩分補給用品を見る →
冷却ベスト・冷感タオル・冷却材
機械巻き込み、衛生服との相性、作業姿勢、重量、安全性などを確認しながら選びます。プレクーリングにも活用できます。
冷却用品を確認する →
体調管理・緊急対応用品
体温計、冷却材、救急用品、緊急連絡先掲示など。保管場所と担当者を明確にしておくことで初動対応を整理しやすくなります。
健康管理用品を確認する →
注意喚起表示・掲示用品
派遣社員・協力会社・短期スタッフなど多様な立場の方が働く工場では、誰にでも分かる掲示で補給・休憩・報告先を周知します。
掲示・標識用品を確認する →
工場・製造業向け 熱中症対策チェックリスト
社内説明や現場確認に使いやすいよう、工場向けのチェック項目を整理しました。

事前準備チェック
- □工場内の高温エリアを洗い出している
- □WBGT計・温湿度計を準備している
- □測定する場所とタイミングを決めている
- □休憩場所の温度・距離・混雑状況を確認している
- □水分・塩分補給用品の保管場所を決めている
- □作業者が補給しやすい運用になっている
- □体調不良時の報告先を決めている
- □派遣社員・協力会社・短期スタッフにも周知できる形にしている
作業開始前チェック
- □当日の気温・湿度・WBGTを確認した
- □熱源周辺や高温エリアの状況を確認した
- □作業内容に応じた休憩タイミングを共有した
- □水分・塩分補給のタイミングを伝えた
- □体調不良時に無理をしないよう声かけした
- □新人・暑さに慣れていない作業者を把握した
作業中チェック
- □高温エリアのWBGTや温湿度を定時確認している
- □ライン作業者も補給できるタイミングがある
- □休憩が実際に取れている
- □スポットクーラーや工場扇の風が適切に届いている
- □異常な汗、ふらつき、顔色の変化などを確認している
- □班長・リーダーが声かけできている
緊急時チェック
- □体調不良者を作業から離脱させる手順がある
- □涼しい場所へ移動できる
- □身体を冷やす用品がある
- □連絡先・搬送先が共有されている
- □誰が判断し、誰が連絡するか決まっている
- □必要に応じて医療機関・救急へつなぐ判断ルートがある
工場の熱中症対策でよくある失敗
熱中症対策用品を用意していても、運用が現場に合っていないと十分に活用されないことがあります。

屋内だから大丈夫だと思ってしまう
工場内でも、設備熱、湿度、換気不足、保護具の着用により、暑さリスクが高まる場合があります。屋内外ではなく、実際の作業場所の環境で判断することが大切です。
工場全体で1か所しか測定していない
事務所や入口付近だけを測定しても、熱源周辺やライン作業場所の暑さを把握できない場合があります。暑くなりやすい場所ごとに確認することが重要です。
冷却用品だけに頼っている
冷却ベストや冷感タオルは有効な対策の一つですが、それだけでは不十分な場合があります。休憩・補給・作業環境改善・報告体制と組み合わせて考えましょう。
交替勤務・夜勤の対策が抜けている
日中だけでなく、設備熱が残る夕方以降や夜勤帯でも暑さが続く場合があります。勤務時間帯ごとの確認も必要です。
派遣社員・短期スタッフへの周知が不足する
工場では社員以外の作業者が現場に入ることもあります。休憩場所、補給ルール、体調不良時の報告先を、誰にでも分かる形で共有することが大切です。
自社工場に必要な対策が分からない場合は、3ステップ診断へ
工場の熱中症対策は、作業場所・熱源の有無・作業内容・人数・休憩環境・衛生品質上の制限によって必要な用品が変わります。「何から準備すればよいか分からない」という場合は、まず3ステップ診断で自社工場に必要な対策カテゴリを確認してください。
3ステップ診断で、職場に必要な対策を確認
業種・作業環境・お困りごとを選ぶだけで、推奨レベルとおすすめ対策カテゴリが分かります。
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あなたの会社の主な業種は?
よくある質問
Q. 工場内でも熱中症対策は必要ですか?▼
はい。屋内工場でも、設備熱、高温多湿、換気不足、保護具や作業服の着用、身体負荷の高い作業などにより、熱中症リスクが高まる場合があります。特に炉・乾燥機・溶接・食品ライン・倉庫・出荷場などは注意が必要です。
Q. 工場では何から熱中症対策を始めればよいですか?▼
まずは、工場内の暑くなりやすい場所を洗い出し、WBGT計や温湿度計で状況を確認することから始めると整理しやすいです。そのうえで、送風・冷却、休憩所、水分・塩分補給、体調管理、緊急時対応を組み合わせて検討します。
Q. WBGT計は工場でも必要ですか?▼
WBGTは、気温だけでなく湿度や輻射熱なども踏まえて暑さを評価する指標です。工場では、入口や事務所だけでなく、熱源周辺、ライン作業場所、倉庫、出荷場など、作業者が実際にいる場所で確認することが重要です。
Q. 工場扇やスポットクーラーを置けば十分ですか?▼
工場扇やスポットクーラーは作業環境改善に役立ちますが、それだけで十分とは限りません。水分・塩分補給、休憩ルール、WBGT確認、体調不良時の報告体制などを組み合わせて、現場全体で運用することが大切です。
Q. 食品工場やクリーンルームではどのような点に注意が必要ですか?▼
食品工場やクリーンルームでは、衛生管理や品質管理の観点から、飲料の持ち込み、送風機器、冷却用品の使用に制限がある場合があります。補給場所、休憩タイミング、使用できる冷却用品を社内ルールに合わせて確認することが重要です。
Q. ライン作業では水分補給をどう徹底すればよいですか?▼
ライン作業では、作業者が自由に補給しづらい場合があります。そのため、補給タイミングをあらかじめ決める、補給ポイントを設ける、班長やリーダーが声かけするなど、個人任せにしない運用が必要です。
Q. 工場向けの熱中症対策用品はどのように選べばよいですか?▼
まずは、作業環境、作業内容、人数、熱源の有無、休憩場所、衛生・品質上の制限を整理します。そのうえで、WBGT計、送風・冷却機器、水分・塩分補給用品、冷却ベスト、体調管理用品などをカテゴリ別に確認すると選びやすくなります。
工場・製造業の熱中症対策用品を
カテゴリ別に確認する
WBGT計、送風・冷却用品、水分・塩分補給、冷却ベスト、休憩所用品、健康管理用品など、法人向けの熱中症対策用品をカテゴリ別に確認できます。
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